2011年2月23日水曜日

カンボジアに警備「国際水準」を 高度機器普及めざし日系新会社

外国企業の参入が相次いでいるカンボジアで、警備業界が注目されている。

 政情が安定し、国内の治安も格段に改善したが、経済成長とともに企業活動が活発になり、国際水準を満たす警備システムへのニーズが高い。

 日本の情報通信コンサルティング会社フォーバル(東京都渋谷区)の現地法人フォーバル・カンボジアは、カンボジアの投資会社と共同で新しい警備機器会社「イー・セキュリティ・サービス」を今年1月に設立した。

 同社は、警備を直接担当するのではなく、地元の警備会社への高機能な最新機器の販売を通して、高度な警備システムの普及拡大を目的とする。

 ◆機械に不慣れ

 同社の水越健晴(みずこしたけはる)取締役によると、現在、カンボジアには約100社の警備会社がひしめく。そのうち、大手と呼ばれるのは、米国のMcFadden Protective Agencyのグループ会社であるMPA、英国系のG4S、カンボジアのプロテックとガルーダ。これら上位4社が抱える警備員の数は、MPAが約3000人、そのほかの会社もそれぞれ1000~2000人といわれる。

 ただ、警備員や装備がそろっていても、危険を防いだり、異変をいち早く察知して被害を最小限に食い止めたりするためのシステムは構築されていない。

 警備員も、煙探知器も、監視カメラも、ばらばらに稼働して連係されていないという現場も散見される。

 水越さんによると、ある現場では、作動中の監視カメラを見張っている担当者がいなかった。「監視カメラは録画しておけばいいもので、リアルタイムで監視するものではない、と言われた。認識の違いに驚いた」

 水越さんは「カンボジアでは経済規模の拡大とともに、警備のグレードアップが求められている。国際水準の警備を実現するには、人間だけに頼った警備では限界がある。人と機器が連係した『機械警備』が必要だ」と指摘する。

 ◆政府も顧客に

 イー・セキュリティは、警備安全保障分野で高度な技術を持つ日本のサクサ・グループ(東京都港区)とも提携し、カンボジアでの機械警備の普及に取り組んでいく。

 1月19日にプノンペン市内で開かれた同社の設立説明会には、カンボジア国内の警備会社約40社から100人近くが集まり、関心の高さをうかがわせた。会場では、最新の監視カメラや警報装置の実演が行われ、来場者が興味深く見入った。同社は「まだ歩きだしたばかりだが、今後1年で100件程度の受注を目指したい」としている。

 民間企業だけでなく、政府や国際機関にとっても、警備は最重要事項となっている。カンボジア政府も同社に注目しており、同国内で開かれる国際会議の警備についてもすでに相談がきているという。(カンボジア情報誌「ニョニュム」編集長 木村文)

 ■イー・セキュリティ・サービス(E Security Services Co., LTD)

 ▽本社=カンボジア・プノンペン市((電)023・6322・355)

 ▽社長=スン・スレン・チャナリット氏

 ▽設立=2011年1月

 ▽資本金=2000万リエル(約41万円)

 ▽事業内容=警備機器・システムの販売など

フジサンケイ ビジネスアイ