2011年2月8日火曜日

タイ・カンボジア:軍の撤退拒否 交戦4日目

 【バンコク西尾英之】国境の山岳寺院周辺の領有を巡るタイとカンボジアの軍事衝突は7日朝、交戦開始から4日目に突入した。過去最悪規模となった両国軍の衝突に、国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は6日(米時間)、「深刻な懸念」を表明し両国に自制を求めた。しかし両国とも「相手が先に攻撃している」と主張、国境付近からの軍の撤退を拒否しており、今後も断続的に戦闘が続く恐れがある。
 国境のヒンズー教寺院「プレアビヒア」周辺では08年から両国軍による小競り合いが続いてきたが、今回は初めてタイ側で住民が巻き添え死した。タイ側だけでも住民約6000人が避難しており、市民生活に深刻な影響が及んでいる。
 交戦では自動小銃や迫撃砲などが使われている。カンボジアのホー・ナムホン外相は同国側で4日間に兵士ら5人が死亡、45人が負傷したと明らかにした。タイ側の死者は住民と兵士の2人で、死者は計7人となった。
 カンボジアのフン・セン首相は6日、国連安保理に書簡を送り「タイ軍による攻撃をやめさせるため」に安保理緊急会合の開催を要請。これに対しタイのアピシット首相は7日、安保理に「カンボジアの不当な攻撃に自衛のため反撃している」と反論する書簡を送った。
 両国が加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国インドネシアのマルティ外相は7日、仲介のためカンボジア入りした。8日にはタイを訪れる予定だが、タイのステープ副首相は7日「2国間問題であり(仲介は)不要だ」と述べ、介入を拒否する姿勢を示した。

毎日新聞 2011年2月7日 19時52分(最終更新 2月8日 0時28分)