2011年5月15日日曜日

脚のない盲目トカゲを発見、カンボジア

脚がなく、目も見えない新種メクラトカゲ
(Photograph courtesy Thy Neang et al Zootaxa/Flora & Fauna International
カンボジアの山地で脚のない盲目のトカゲが見つかったと自然保護団体が発表した。

 新種のメクラトカゲ(Dibamus dalaiensis)は体長15センチ。盲目で脚のないトカゲが東南アジアで見つかったのは初めてだ。世界を見渡すと、四肢が退化したトカゲは200種を超え、新種の爬虫類も過去10年で50ほど発見されている。

 ファウナ&フローラインターナショナルに所属する爬虫類と両生類の専門家ネアン・タイ(Neang Thy)氏は最近、カンボジア南西部に位置するカルダモン山脈の丸太の下でメクラトカゲを発見した。「最初は一般種かと思ったが、よく見てみると初めて出会う種だった」とタイ氏はプレスリリースで述べている。

 近年、カルダモン山脈では次々と新種が見つかっている。1990年代まで、研究者は立ち入ることさえできなかったためだ。

 ファウナ&フローラインターナショナルで保全生物学の研究をするジェニー・ダルトリー氏は、「一帯はクメール・ルージュ(ポル・ポト派)の支配下にあったため、地域自体についても生息する動物についても実態はほとんどわかっていない」と説明する。

 共産主義政党のクメール・ルージュは、1975年から1979年までカンボジアを支配し、その後もゲリラ活動を展開していたが、1998年に最後の拠点がカンボジア政府に制圧された。

「カルダモン山脈で初めて動物の生態を調査したのは10年前だ。以来、タイ氏は驚くような新発見を続けている」と、ダルトリー氏はナショナルジオグラフィック ニュースに語った。ヘビは脚のないトカゲから進化したと考えられている。両者の違いは、外耳をはじめとするトカゲの特徴を保持しているかどうかだ。

 脚がなく、目も見えないトカゲの起源は南北アメリカ大陸である可能性が高い。約5500万年前、ベーリング海峡を渡ってアジアに入り込んだようだ。

 現生する脚のないトカゲと同じく、今回の新種も地下で暮らしていると考えられている。地下では、目も脚も必要ない。「地下のトンネルが生活圏なら、歩行能力も視覚も無用の長物だろう」とダルトリー氏は話す。

 このメクラトカゲについては未解明の部分がほとんどだが、鼻を頼りにミミズやアリ、シロアリを捕まえている可能性があるという。「まだ名前が付いただけの段階だ。もしかしたら非常に珍しい種類かもしれない」とダルトリー氏は語る。

「われわれが知る限り、カンボジアの山の一角でしか見つかっていない。樹木伐採や土地の放棄によって生息環境が破壊され、危機的な状況にある場所だ。新種が発見されても、次の年には絶滅する危険がある」。

 この新種発見は「Zootaxa」誌の4月21号に掲載されている。

Dave Mosher for National Geographic News

ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト